修学旅行をきっかけに、集められた6人の“1人ぼっち”たちが織りなす青春ストーリー、映画『6人ぼっち』が5月2日(金)に公開となる。今作は、クラスにひとりも友達がいない主人公・加山糸が、修学旅行前の班決めで誰とも組むことができずにいた5人と同じ班を組まされ、強制的に班長を任されることになってしまうところから物語が展開していく。6人の中のひとり、気の弱い山田ちえを演じた中山ひなのに、演じた役や作品、共演者とのやりとり、さらに学生時代のエピソードについても聞いた。
うれしかったです。同世代の子たちと共演することがあまりなかったので、それも楽しみでした。
すごく読みやすいなというのが最初の印象でした。メインの登場人物が6人もいると、どうしてもキャラ分けが難しくなりそうなのに、脚本を読んだらそれぞれのキャラクターがしっかり確立されていてわかりやすくて。おもしろいなと思いながら読みました。
ポスタービジュアルに「#ネガティブ」 と書いてあるように、ある出来事がきっかけで心に蓋をしてしまって何事にも「私なんかが……」と思ってしまう子だなと思っています。私はどちらかというとポジティブですが、初対面のときなどは自分の意見を言いづらかったりするので、その“心のブレーキ”みたいなものはすごく共感できました。
脚本にはあまり自分の意見が言えないと書いてありますが、自分の意思はあると思うんです。そのうえで言わないという選択をしているだけだと思うので、「なんで我慢するのか」「本当はこう思っているけど」といったような意思を台本に書くようにしていて。ちえちゃんって最初は頑張るんです。頑張るんですけど、相手に断られたりすると、自分から一歩下がってしまう。だから“意思を持っている”ということは大切にしました。
いつもやることかもしれないです。わかりやすいのは「・・・」というセリフ。そのときの表情を撮りたいから「・・・」があると思うんです。それがなかったら相手の方の長台詞でいいはずなので。わざわざ「・・・」があるということは、そのときの表情を撮りたいということだと思うので、そのときの気持ちは大切にしています。
難しかったです。でも本当に脚本がわかりやすく書いてあったので助かりました。本読みのときに脚本の政池(洋佑)さんが「イメージにぴったりだった」と言ってくださったので自信がつきました。ちえを演じるうえで、普段あまりしゃべらない人がしゃべったらどうなるかという研究をしました。普段小さい声でしゃべっている人が急に大きな声を出すとどんな声になるのか、「寝起きの声だと近いのかな」「裏返っちゃうかな」と考えながら、いろいろ試して現場に持っていって、また試して……という形で研究していきました。
鈴木美羽ちゃんは気遣いがすごかったです。私が6人のなかで最年少だったこともあって、「いいよ、やるよ」って何でもやってくれたし、すごくかわいがってもらいました。夜はみんなでご飯を食べにいったりもして、そのときも「いいよいいよ」って取り分けてくれました。
はい、かわいがってもらいました。お芝居で印象的だったのは吉田晴登くん。物語の山場のシーンがあるのですが、そのお芝居はグッときました。すごくいい表情をしていました。
話すことはプライベートのことが多かったですね。でも6人で集まって翌日の台本の読み合わせをしたときは「ここはこういうテンポのほうがいいかな」みたいな話をしていました。
はい。一部、東京での撮影もありましたが、修学旅行のシーンは全部広島です。
広島に行ったのは初めてだったのですが、自然と都会の割合がすごくいいなと思いました。なんか“本当に緑!”“本当に青!”みたいな景色で、写真みたいでした。撮影のときもすごく晴れていて、本当に青い空でした。眩しくて目が開かないくらい。すごく楽しかったです。
毎晩のように夜ご飯を一緒に食べました。松尾潤くんが広島出身なので、率先してお店を調べてくれて、お好み焼きを食べたり、次の日の撮影が休みだったらラーメンを食べに行ったりしていました。
撮影の初日が、お花に水をあげるシーンの撮影だったんです。そのシーンを撮ったあとに、監督が「ひなちゃんのまとっている空気がすごく良かったから、これからも嘘をつかずに作品を作ってほしい」と言われて。それはグッときました。
その役が最初に登場するシーンの描写って大切だと思うんですけど、ちえの場合はその水をあげるシーンが最初。ネガティブなんだけど、ひとりでお花に水をあげているときには柔らかさがほしいなと思って。というのも、お花に水をあげる時間っていうのは、ちえなりの幸せな時間だなと思ったんです。周りから見たら小さなことだけど、ちえにとってはお花の成長が楽しみだったり、その時間がすごく好き。そう思ったので、ほかのシーンとの差はつけるようにしました。
この映画のキャッチコピーは「青春できていない青春映画」ですが、学生を経験したすべての世代の方に刺さると思います。今、学生で「学校が嫌だな」と思っている子が一歩踏み出すきっかけにもなるんじゃないかなと思います。
私はわりとガツガツ系でした(笑)。小学校高学年のときは応援団長をやっていました。中学では勉強を頑張っていて、学級委員もやっていました。高校は芸能コースの学校に進んだので、そこからちょっと大人しくなりました。
はい。今では信じられないですが。
確かに「見た目のわりに度胸あるね」とはよく言われます。オーディションでも「誰からやりますか?」みたいなときは率先してやるので、それが活きているのかなと思います。
職業にしたいと考えるようになったのは高校生のときですが、最初にお芝居に触れたのは中学2年生になる前の春休み。それまでサッカーをやっていたのですが、怪我でちょっとお休みする時期があって。そのときに舞台のオーディションがあって、サッカーもできないしと思って応募してみたんです。そしたら受かっちゃって。お芝居をやったのは初めてだったのですが、すごく楽しかったし、お客さんに見てもらってうれしい言葉をかけてもらうってすごい職業だなと思ったんです。そこからお芝居が楽しくなって、続けるようになって。でもその時点ではまだ「俳優になりたい」と思っていたわけではなく、ただ「お芝居が好き」という気持ちでレッスンに通っていました。高校2年生になってみんなが進路を決めていくなかで、「このままお芝居の道に進むのか、それとも就職したり大学に行ったりするのか」という選択を迫られたときに、本格的にお芝居をするために、高校卒業後に上京すると決めて。そのときから未来ノートをつけはじめました。
はい、「こういう役をやりたい」「これに出たい」とかそういうものを書いていました。
家にあります。
「地上波に出たい」や「地上波でヒロイン」、「日本アカデミー賞を獲りたい」「純粋な役を」「サイコパスっぽい役を演じたい」など、賞以外は結構かなっているものが多いです。
山田杏奈さんのお芝居がすごく好きで。明るい役もできるし、ちょっとミステリアスな役もできるじゃないですか。私もそういう俳優になりたいです。何でもできるけど、「その役は中山ひなのにしかできなかったよね」って言われるような役者になりたいです。
えー、何だろう? 「#根性」とかですか?(笑) 応援団長をやっていたこともあるので、「#応援団長」とかでもいいかも(笑)。
選べないなぁ〜。でも小学生のときにバイブルにしていて、今でもたまに読み返しているのは「あいしてくれてありがとう」という本。すごく泣けるんです。
今でも、読むとそれを読んでいたころの気持ちになれるので泣きたいときだったり、純粋な気持ちに戻りたいときに読みます。
母と京都旅行に行きたいですね。母も私も抹茶がすごく好きなので、ふたりで抹茶のアイスクリームとかお団子とか、おいしいものをたくさん食べたい!
はい。毎日のようにLINEしています。というか毎日のようにLINEが来ます。「おはよう」から始まって「おやすみ」まで。
はい、すごく応援してくれています。全部見てくれるし、ドラマの先の展開も聞いてきます(笑)。「言えないから楽しんで」って言っていますが(笑)。作品に出演することをすごく喜んでくれるので、これからもいろんな作品に出て、全部見てもらいたいなと思っています。
MOVIE information
『6人ぼっち』
5月2日(金)より、新宿ピカデリーほか全国順次公開
出演/野村康太、吉田晴登、三原羽衣、松尾潤、鈴木美羽、中山ひなの、小西詠斗、賀屋壮也(かが屋) ほか
監督/宗綱弟
企画・脚本/政池洋佑
エグゼクティブプロデューサー/野田爽介
プロデューサー/熊田泰祐
音楽/坂本秀一
編集/上野聡一
製作幹事/FOR YOU
制作プロダクション/isai
配給/ギグリーボックス
配給協力/フューレック
https://6ninbocchi.com
©2025『6人ぼっち』製作委員会
photography_塩谷未来
styling_岩渕真希
hair&make_山口恵理子
text_小林千絵
【衣装クレジット】
AVIE、FLUMOR
【問い合わせ先】
03-6786-9267
https://www.andensal.com/shop
https://www.flumor.tokyo/

映画『6人ぼっち』に出演が決まったときの心境を教えてください。
うれしかったです。同世代の子たちと共演することがあまりなかったので、それも楽しみでした。
脚本を読んだ印象を教えてください。
すごく読みやすいなというのが最初の印象でした。メインの登場人物が6人もいると、どうしてもキャラ分けが難しくなりそうなのに、脚本を読んだらそれぞれのキャラクターがしっかり確立されていてわかりやすくて。おもしろいなと思いながら読みました。
そんな中で、中山さんが演じるのは山田ちえ。山田ちえという人物を、どのようなキャラクターだと感じましたか?
ポスタービジュアルに「#ネガティブ」 と書いてあるように、ある出来事がきっかけで心に蓋をしてしまって何事にも「私なんかが……」と思ってしまう子だなと思っています。私はどちらかというとポジティブですが、初対面のときなどは自分の意見を言いづらかったりするので、その“心のブレーキ”みたいなものはすごく共感できました。
そんなちえを演じるにあたって、意識したことや大切にしたことは?
脚本にはあまり自分の意見が言えないと書いてありますが、自分の意思はあると思うんです。そのうえで言わないという選択をしているだけだと思うので、「なんで我慢するのか」「本当はこう思っているけど」といったような意思を台本に書くようにしていて。ちえちゃんって最初は頑張るんです。頑張るんですけど、相手に断られたりすると、自分から一歩下がってしまう。だから“意思を持っている”ということは大切にしました。
台本に本心を書くというのは、いつもやることなんですか? それともちえという役柄だからこそ?
いつもやることかもしれないです。わかりやすいのは「・・・」というセリフ。そのときの表情を撮りたいから「・・・」があると思うんです。それがなかったら相手の方の長台詞でいいはずなので。わざわざ「・・・」があるということは、そのときの表情を撮りたいということだと思うので、そのときの気持ちは大切にしています。
そうして演じる山田ちえは演じやすかったですか? それとも難しかったですか?
難しかったです。でも本当に脚本がわかりやすく書いてあったので助かりました。本読みのときに脚本の政池(洋佑)さんが「イメージにぴったりだった」と言ってくださったので自信がつきました。ちえを演じるうえで、普段あまりしゃべらない人がしゃべったらどうなるかという研究をしました。普段小さい声でしゃべっている人が急に大きな声を出すとどんな声になるのか、「寝起きの声だと近いのかな」「裏返っちゃうかな」と考えながら、いろいろ試して現場に持っていって、また試して……という形で研究していきました。

先ほど同世代との共演も楽しみのひとつだったとおっしゃっていましたが、共演者のなかで特にお芝居や現場で印象的だった方はいらっしゃいますか?
鈴木美羽ちゃんは気遣いがすごかったです。私が6人のなかで最年少だったこともあって、「いいよ、やるよ」って何でもやってくれたし、すごくかわいがってもらいました。夜はみんなでご飯を食べにいったりもして、そのときも「いいよいいよ」って取り分けてくれました。
本当に妹のように。
はい、かわいがってもらいました。お芝居で印象的だったのは吉田晴登くん。物語の山場のシーンがあるのですが、そのお芝居はグッときました。すごくいい表情をしていました。
同級生役の皆さんとはお芝居やお仕事のお話はされましたか?
話すことはプライベートのことが多かったですね。でも6人で集まって翌日の台本の読み合わせをしたときは「ここはこういうテンポのほうがいいかな」みたいな話をしていました。
いいですね。撮影は広島で?
はい。一部、東京での撮影もありましたが、修学旅行のシーンは全部広島です。
広島での撮影はいかがでしたか?
広島に行ったのは初めてだったのですが、自然と都会の割合がすごくいいなと思いました。なんか“本当に緑!”“本当に青!”みたいな景色で、写真みたいでした。撮影のときもすごく晴れていて、本当に青い空でした。眩しくて目が開かないくらい。すごく楽しかったです。
広島では6人でどのように過ごしたのでしょうか?
毎晩のように夜ご飯を一緒に食べました。松尾潤くんが広島出身なので、率先してお店を調べてくれて、お好み焼きを食べたり、次の日の撮影が休みだったらラーメンを食べに行ったりしていました。
監督とのやりとりで印象的なものがあれば教えてください。
撮影の初日が、お花に水をあげるシーンの撮影だったんです。そのシーンを撮ったあとに、監督が「ひなちゃんのまとっている空気がすごく良かったから、これからも嘘をつかずに作品を作ってほしい」と言われて。それはグッときました。

そのシーンではどういうことを意識していたのでしょうか?
その役が最初に登場するシーンの描写って大切だと思うんですけど、ちえの場合はその水をあげるシーンが最初。ネガティブなんだけど、ひとりでお花に水をあげているときには柔らかさがほしいなと思って。というのも、お花に水をあげる時間っていうのは、ちえなりの幸せな時間だなと思ったんです。周りから見たら小さなことだけど、ちえにとってはお花の成長が楽しみだったり、その時間がすごく好き。そう思ったので、ほかのシーンとの差はつけるようにしました。
映画『6人ぼっち』は、特にどんな人に見てほしいですか?
この映画のキャッチコピーは「青春できていない青春映画」ですが、学生を経験したすべての世代の方に刺さると思います。今、学生で「学校が嫌だな」と思っている子が一歩踏み出すきっかけにもなるんじゃないかなと思います。
ちなみに中山さんはどんな学生でしたか?
私はわりとガツガツ系でした(笑)。小学校高学年のときは応援団長をやっていました。中学では勉強を頑張っていて、学級委員もやっていました。高校は芸能コースの学校に進んだので、そこからちょっと大人しくなりました。
応援団長を!?
はい。今では信じられないですが。
きっと前に出ることが好きだったんですね。度胸もあって。
確かに「見た目のわりに度胸あるね」とはよく言われます。オーディションでも「誰からやりますか?」みたいなときは率先してやるので、それが活きているのかなと思います。
俳優に憧れたり、お芝居をやりたいと思ったりし始めたのはいつごろですか?
職業にしたいと考えるようになったのは高校生のときですが、最初にお芝居に触れたのは中学2年生になる前の春休み。それまでサッカーをやっていたのですが、怪我でちょっとお休みする時期があって。そのときに舞台のオーディションがあって、サッカーもできないしと思って応募してみたんです。そしたら受かっちゃって。お芝居をやったのは初めてだったのですが、すごく楽しかったし、お客さんに見てもらってうれしい言葉をかけてもらうってすごい職業だなと思ったんです。そこからお芝居が楽しくなって、続けるようになって。でもその時点ではまだ「俳優になりたい」と思っていたわけではなく、ただ「お芝居が好き」という気持ちでレッスンに通っていました。高校2年生になってみんなが進路を決めていくなかで、「このままお芝居の道に進むのか、それとも就職したり大学に行ったりするのか」という選択を迫られたときに、本格的にお芝居をするために、高校卒業後に上京すると決めて。そのときから未来ノートをつけはじめました。
未来ノート?
はい、「こういう役をやりたい」「これに出たい」とかそういうものを書いていました。

そのノートは今も手元にあるんですか?
家にあります。
それを今見返すと、どれくらいかなっていますか?
「地上波に出たい」や「地上波でヒロイン」、「日本アカデミー賞を獲りたい」「純粋な役を」「サイコパスっぽい役を演じたい」など、賞以外は結構かなっているものが多いです。
おお、すごいですね。では、この先、どのような俳優になりたいと思っているのか、教えてください。
山田杏奈さんのお芝居がすごく好きで。明るい役もできるし、ちょっとミステリアスな役もできるじゃないですか。私もそういう俳優になりたいです。何でもできるけど、「その役は中山ひなのにしかできなかったよね」って言われるような役者になりたいです。
山田ちえは「#ネガティブ」ですが、ご自身をひと言で説明するなら、何だと思いますか?
えー、何だろう? 「#根性」とかですか?(笑) 応援団長をやっていたこともあるので、「#応援団長」とかでもいいかも(笑)。
劇中でちえは読書が趣味ですが、中山さんがバイブルにしている小説や漫画、映画などはありますか?
選べないなぁ〜。でも小学生のときにバイブルにしていて、今でもたまに読み返しているのは「あいしてくれてありがとう」という本。すごく泣けるんです。
今でもたまに読み返すということですが、どういうときに読むんですか?
今でも、読むとそれを読んでいたころの気持ちになれるので泣きたいときだったり、純粋な気持ちに戻りたいときに読みます。
劇中で6人は修学旅行に行きますが、中山さんが今、好きなところに旅行できるとしたら、どこで何をしたいですか?
母と京都旅行に行きたいですね。母も私も抹茶がすごく好きなので、ふたりで抹茶のアイスクリームとかお団子とか、おいしいものをたくさん食べたい!
お母様と仲良しなんですね。
はい。毎日のようにLINEしています。というか毎日のようにLINEが来ます。「おはよう」から始まって「おやすみ」まで。
本当に仲良しですね。お母様はお仕事を応援してくれていますか?
はい、すごく応援してくれています。全部見てくれるし、ドラマの先の展開も聞いてきます(笑)。「言えないから楽しんで」って言っていますが(笑)。作品に出演することをすごく喜んでくれるので、これからもいろんな作品に出て、全部見てもらいたいなと思っています。

MOVIE information
『6人ぼっち』
5月2日(金)より、新宿ピカデリーほか全国順次公開
出演/野村康太、吉田晴登、三原羽衣、松尾潤、鈴木美羽、中山ひなの、小西詠斗、賀屋壮也(かが屋) ほか
監督/宗綱弟
企画・脚本/政池洋佑
エグゼクティブプロデューサー/野田爽介
プロデューサー/熊田泰祐
音楽/坂本秀一
編集/上野聡一
製作幹事/FOR YOU
制作プロダクション/isai
配給/ギグリーボックス
配給協力/フューレック
https://6ninbocchi.com
©2025『6人ぼっち』製作委員会
photography_塩谷未来
styling_岩渕真希
hair&make_山口恵理子
text_小林千絵
【衣装クレジット】
AVIE、FLUMOR
【問い合わせ先】
03-6786-9267
https://www.andensal.com/shop
https://www.flumor.tokyo/