2023.6.13

もう一度パパと呼ばれる日
NAOTO

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NAOTOが主演を務める連続ドラマ『もう一度パパと呼ばれる日』がフジテレビの「火曜ACTION!」枠で現在放送中。本作は、前向性健忘症を患い家族から離れた主人公が、最愛の子どもたちにもう一度「パパ」と呼んでもらうため、シングルファザーとして子どもたちと向き合い育てることを決意する奮闘記。今作で三倉健二を演じるNAOTOに、ドラマの見どころや役に対しての想い、さらに撮影現場でのエピソードなどについて語ってもらった。

©️フジテレビジョン

ドラマ『もう一度パパと呼ばれる日』でオファーを受けたときのお気持ちをお聞かせください。


フジテレビのドラマに出させていただくこと自体、とても久しぶりで、それが主演という形でしたので、すごく光栄なことだなと思いました。あと、いただいた本がおもしろくてとてもやりがいのある役だと思いましたし、すごくいい作品に出会えてチャレンジしたいなと心から思いました。

今回演じられる三倉健二はどんな人物ですか?


すごくまっすぐで不器用かなと思うのですが、頑固な部分もあったり……でも基本的にはまじめにまっすぐに生きている、それ故の不器用さだったり、頑固さなのかなと思います。自分自身もこうと決めたらそこからはずれられない、そういう自分が我慢できないみたいなところは、健二とちょっと似ているかなと思っています。

健二を演じるにあたって意識されたことはありますか?


健二は、前向性健忘症という病気を患っていて。健二と同じ病気を患っている方の情報が、今YouTubeなどで見られるんです。僕も初めてそういった方々が実際に話されているところだったり、ドキュメンタリーで普段どういった生活をされているのか、その一部を見ました。人それぞれ症状の重さは違うのですが、一見、本当にその病気を患っているようには見えなかったりするんです。三倉健二もまさにそうで、彼のことを見た別の人間が「もっとそういった病気の人たちは暗いと思っていた」というセリフがあるぐらい、本当に見た目ではわからないんです。そのように病気を患っている皆さんが強く生きていらっしゃる姿を自分も見て、できる限りリアルに演じることを心掛けました。

健二の言動で共感できたことや印象に残っているシーンはありますか?


事故に遭い、前向性健忘症になったことで、昔の記憶はあるのですが、事故後の記憶が健二にはないんです。毎朝目覚めるたびに記憶を失っているので、どこで働いているのかは前日のノートを見ることによって知るという、まず病気を受け入れるところから1日が始まります。毎日とんでもない事実を突きつけられながらも、それを受け入れて前日のノートを見て、仕事に対してまじめにまっすぐ向かう姿はすごいな、よくできるなと。一瞬、恐怖に陥るわけじゃないですか。その恐怖と戦いながらも、ちゃんと仕事に行って、仕事もまじめにこなして、素晴らしいなって、逆に健二から勇気をもらっています。


©️フジテレビジョン


強いですね。


相当強くてタフじゃないと塞ぎ込んでしまうんじゃないかって。実際にそうやって生活されている方もいらっしゃるし、もちろんそれをサポートしている方がいらっしゃると思うのですが、みんなでそれに立ち向かって本当にすごいなと思います。自分が毎日それを突きつけられたらどうなるのか、健二ほど強くはなれないかもしれないですけど、想像しながら演じさせてもらいました。

初の父親役ですが、そこに関してはいかがですか?


父親役ということに関しては難しいところは特になく、すっと入っていけました。何より子どもたちがかわいくて、仲良くなって、父親としての疑似体験ができてよかったなって。もうそれで満足しちゃいました(笑)。

満たされるぐらい親密な関係を築かれたんですね。


クランクアップしたあとに、息子・春役の(石塚)陸翔くんから手紙をもらったんですよ。その手紙に「パパへ」と書いてあったときは、もうズキュンと撃ち抜かれましたね。

宝物ですね。


家の大事なものを入れる引き出しにそっとしまいました。


©️フジテレビジョン


父親役を演じてみて、理想の父親像は変わりましたか?


難しいですね。 以前も聞かれましたが、理想の父親って何なんだろうなと思います。

勝手なこちらのイメージですが、厳格な父親というよりは、お子さんとの距離が近くて、何でも話せる友達のようなお父さんになりそうな。


確かに厳格にはなれないと思いますね。

甘やかすタイプですか?


どうなんだろう。でも、できる限り子どもと一緒に遊んで、楽しかったなという思い出をたくさん作ってあげたいというのはひとつあるのかなと思います。

女の子だったら、門限を作ったり、厳しくなっちゃいそうですか?


たぶんすごく厳しいと思います(笑)。

そうなりますよね(笑)。ところで、撮影現場の雰囲気はいかがですか?


すごく監督が寄り添ってくれるといいますか。健二という役がかなり難しい役どころであるのは監督もわかっているので、毎回ワンシーンワンシーン、「ここってどうなんだろう?」「こうだろうね」「僕はこういうふうに思って、こういうふうに演じたんですけども」「じゃあ、もうちょっとこうしてみたらどうだろう」などと話しながら健二という役を作り上げていきました。自分なりに解釈した健二が、画面を通して客観的に見たときにどう映っているのか、指摘してもらったほうが自分も納得できるので。でも、ちょうどツアーの真っ最中で、すごくタイトなスケジュールのなかで撮ったので、自分はほぼチェックはせずに、監督に任せて、もうバーッて駆け抜けた感じですね。

ツアーと並行しながらの撮影はどのように切り替えられたんですか?


どうやってもないです(笑)。意識してとかではなくて、ものすごいスピードでやってくる目の前のことをただただやるしかない、という感じでしたね。

台本を覚えるだけでなく、健二の心理状況とか、ただでさえ難しい部分があったと思うのですが。


逆に集中してギュっとやれたのはよかったかなと思います。こういう役は飛び飛びでやってしまうと、どんな感じだったかなとか、ちょっと忘れそうなところもあるのですが、本当にスケジュールが詰まっていたので。


©️フジテレビジョン


ツアー中、健二が憑依しちゃう瞬間とかあったりしたんですか?


(即答で)ないです、まったく!(笑)

本当に目の前のことに集中されていたんですね。


(憑依しちゃう瞬間が)あるって言いたいんですけど、本当になくて(笑)。

だからこそ並行してできるんでしょうね。また今回の共演者の方にはFANTASTICSの木村慧人さんもいらっしゃいますが、現場でのやりとりなど印象に残っていることはありますか?


最近どう? 忙しい? みたいな(笑)、同じシーンの間はずっとたわいもない話をしていました。慧人は人懐っこくて、いい意味で気遣わないし、気遣わせないんですよ。だから、すごくリラックスして、現場でもすごく助かりました。慧人とは結構掛け合いのシーンがあるのですが、ここはもうちょっとテンポをあげてみようかとか、いろいろふたりで練習したりして、一緒に作り上げていきました。

ちなみにNAOTOさんはそもそも記憶力はいいほうだと思いますか?


ものによります。本当に自分が記憶しておきたいことはもちろんですが、映画や漫画の内容とかもすごく覚えてたりします。あと、人に関しては、お顔は覚えてはいるのですが、さすがにお名前を覚えるまではちょっと難しいですね。

数えきれないほどの人たちとお会いされていますからね。


でも、振りを覚えるのはすごく速いんですよ。でも、抜けるのもとても速くて(笑)。勘違いして覚えて、自分なりに踊っていたりするので、いつもこっちでしょー! って、三代目とかでもなるんですけど、大体僕が間違っています(笑)。

そうなんですね(笑)。では、改めて今作の魅力、見どころをお願いします。


前向性健忘症を患いながらも頑張っている健二の姿に自分自身も演じていて勇気をもらいましたし、それだけではなく、監督とも話していたのですが、病気という一面を描きつつ、家族の物語でもあるので、一度は手放してしまった家族をいろんな弊害がありながらも自分で行動することによって取り戻していくという、ハートウォーミングな一面をしっかり見ていただきたいなと思います。あと、まだ放送前ということでネタバレになっちゃうので詳しくは言えないのですが、4話の最後にある健二のセリフにぜひ注目してほしいです。



DRAMA information
火曜ACTION!『もう一度パパと呼ばれる日』

©️フジテレビジョン

フジテレビ
<放送スケジュール>
6月6日(火) 24:25~24:55
6月13日(火) 24:25~24:55
6月20日(火) 24:25~24:55
6月27日(火) 24:35~25:05
※関東ローカル
※放送終了後、TVer、FODなどで見逃し配信を実施

出演/EXILE NAOTO、前田亜季、梨里花、石塚陸翔、木村慧人(FANTASTICS)、信太昌之、山田キヌヲ、八嶋智人 ほか
プロデュース/宋ハナ(『風間公親-教場0-』、『やんごとなき一族』)
演出/西岡和宏(『風間公親-教場0-』、『元彼の遺言状』)
脚本/上田迅(「第31回ヤングシナリオ大賞」2019佳作)
制作/フジテレビ
公式ホームページ/https://www.fujitv.co.jp/mouichido-papa/

text_星野彩乃