2025.5.1

PJ 〜航空救難団〜
石井杏奈×前田拳太郎

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4月24日(木)より放送がスタートしたテレビ朝日系木曜ドラマ『PJ ~航空救難団~』。今作は、航空自衛隊全面協力のオリジナルレスキュードラマ。選抜された精鋭たちが所属し、“ほかのどの組織でも救助ができない”と判断された際に出動する“人命救助最後の砦”の航空自衛隊航空救難団の救難員「PJ(パラレスキュージャンパー)」にスポットをあて、型破りな訓練で訓練生たちを鍛え上げていく主任教官と、PJを目指して超難関の選抜試験を突破してきた訓練生たちが1年に及ぶ地獄の訓練に立ち向かう姿を描く。今回、藤木さやか役の石井杏奈と白河智樹役の前田拳太郎の対談が実現! 過酷な撮影の話や役作りなどについてたっぷりと語ってもらった。



おふたりが出演するドラマ『PJ ~航空救難団~』では、石井杏奈さんが演じる藤木さやかは2話で、前田拳太郎さんが演じる白河智樹は3話で、メインの役どころを演じています。特にさやかは、男性のなかでたったひとりの女性として、“特別扱いはしてほしくない”とものすごく強い芯を持っていますよね。


石井杏奈(以下石井):とても強いですよね。私もLDHという男性が多い事務所に所属していて、そのなかの女性グループであるE-girlsとして頑張っていたのですが、そこでも男性には負けたくないと思うことがとても多かったんです。さらに女性の強さや底力を知っているからこそ、さやかに通ずる想いがたくさんあり、さやかが負けないように頑張ろうと、自分で自分を鼓舞しながら撮影していきました。

今の時代を生きる女性にはすごく共感できるキャラクターだと思いました。


石井:そうですよね。自分が女性としてここにいる理由として、そして、女性の味方の存在として、観てくれた女性の頑張る原動力になれたらいいなという想いでこの現場にいます。皆さんが“さやかが頑張っているから自分も誰かを救おう”“何かを救おう”と思うきっかけになってくれたらと考えながら撮影に取り組んでいます。

とはいえ、かなり過酷な役ですよね。


石井:過酷です!(笑) 私は水泳があまり得意ではなかったので、撮影に入る3ヵ月ほど前からプールの訓練をさせてもらいました。そのおかげで、なんとか上達したのかなと思っていて……。2話には、重要な溺れるシーンがあり、撮影したときは、アドレナリンが出ているので気付かなかったのですが、あのときを振り返ると“あと10秒潜っている時間が長かったらブラックアウトしていたな”ということがざらにあったんです! 監督さんも、その極限の状態を求める方なので、立ち泳ぎなども1日で4時間くらいしていて(笑)。

前田拳太郎(以下前田):僕はそのシーンを近くで見ていたのですが、溺れるお芝居をしているときに、さらに水をかけられていたんです。“これは本当に大変だろうな”と思いながら見ていました。本当にすごかったんですよ!

その溺れるシーンが、今後ドラマの鍵となっていくからこそ、より監督さんも力が入ったのかもしれないですね。


石井:もう、やらないと終わらないので、肝が据わりました(笑)。本当にあのときは“やればできるんだ”と思いました(笑)。


前田さんは3話で、演じる白河の養護施設で過ごしたという生い立ちが描かれていきます。


前田:はい。白河は育った環境関係なく、ヒーローになれるということを証明するために、航空救難団に入るんです。この白河をしっかりと演じるために、まずは養護施設に行ってスタッフさんにお話を聞くことで、少しずつ白河に近づけるように役作りをしてきました。実際にルーツとなる場所に足を運ぶことによって、僕が思っていたものとは違うことがあり、すごく勉強になりました。さらに白河は成績トップの役柄だったので、トレーニングを頑張りました。

石井:成績トップということが納得できるくらい、頼もしい存在です。きっと、訓練に関してもいっぱい準備してきたんだろうなという佇まいを感じています。

前田:うれしいです! 成績トップなことは伝わっていますか……?(笑)

石井:もちろん! 誰が見ても“この人に助けてほしい”“助けてもらいたい”と思えるような姿なんです。

ただ、さやかも白河も抱えすぎてしまうようなキャラクターですよね。


石井:強がりですよね。人を頼ることが苦手なんです。でも救難員の方は、そういった傾向がある気がしていて。自分が救うと思うと、どうしても自分よがりになってしまうんです。誰かと一緒に頑張ろうというよりも、自分が、となってしまうのは当たり前のことなんですよね。それに、実際の救難員の方とお話をしたときに、皆さん口を揃えて、“仲間がいるから頑張れる”と言っていました。

素敵ですね。


前田:白河もみんなに助けられていますが、僕もすごく助けられていて。それこそ、2話から3話になるときに、石井さんからバトンを引き継ぐお話をどう演じていこうかと悩んだのですが、石井さんの鬼気迫るお芝居を見て、ものすごく背中を押されました。あの溺れるシーンに、より白河の恐怖心が煽られたんです。ものすごくいいバトンをいただいたので、これは僕も応えないといけないと思いながら、演じていました。

石井:そう思ってもらえていたのならうれしいです。実際に溺れましたし!(笑)

ものすごいリアリティ!


石井:みんな、命をかけてこの現場に立っているので、限界ギリギリなんです。

ここまで窮地に立たされるお芝居は初めてですか?


石井・前田:初めてです!

前田:演じる前に、“きっとお芝居だから、こうやって見えるように撮るんだろうな”と考えていたのですが、本当に窮地になっている姿を撮っています! 腕立て伏せもリアルにずっとやっていて(笑)。

石井:テスト、本番、予備運動を含めてずっとやっているよね。

前田:こんなにやるんだって思うくらい!(笑)石井さんの腕立てはものすごく速いんですよ。いつごろから練習を始めたんですか?

石井:この撮影に入る前は膝をつかないとできなかったんです。

前田:えー! そんな風にはまったく思えないです! いい意味で、女性であることをまったく感じさせない動きをされていて、本当に驚かされます。これは努力だなと思いますね。

撮影現場では、実際に救難員の方がそばで活動をされているとお伺いしました。


石井:場所をお借りしているので、よくお会いするのですが、すれ違うときに一人ひとりに深々とお辞儀をしながら挨拶をしてくださります。毎回全力なんです。教官の方々も、普段から人の命を救っている方たちなので、パッと見て“救難員の人だ!”とわかるんです。

前田:実際に訓練も一緒についてくれて、ものすごく厳しく指導してくださるのですが、説得力がすごいんです。以前、撮影終わりにプールで訓練が組まれていたときがあったのですが、教官の方が「さすがに限界だから今日は休んでください」と言ってくださりました。ちゃんと人間の限界をわかっているし、身体も心もケアしてくれる存在なので、すごく尊敬しています。

石井:追い込むときはちゃんと追い込んでくれるので、そのメリハリに愛を感じています。

この撮影をするなかで身体もかなり変化したのではないでしょうか?


石井:みんながプロテインを飲んでいるので、撮影現場の近くのコンビニのプロテインが全部なくなっちゃうんです!

前田:本当になくなりますよね(笑)。もともと筋トレはずっとしているのですが、あまりにも体力を使う撮影なので、痩せちゃいました……(笑)。

石井:私もこんなに二の腕に筋肉がつくんだと思うくらい変化していて。でも、それも全部、人を助けるために必要な筋肉なんです。人を助けて担架で運ぶときに、腕の筋肉が必要となるので、さらに跳躍も足腰に負荷をかけるのも、理由があることがわかって、救難員としての筋肉がついてきていることを実感しています。

前田:撮影が終わったらこの筋トレは続けるんですか?

石井:有酸素に切り替えます! 今はウェイトなどの訓練が多いのですが、終わったら有酸素運動とピラティスで身体作りをしようかなと考えていて。

前田:すごい……! しっかりと続けるんですね。僕は体重を減らすのは得意なのですが、一度いけるところまでいってムキムキになりたいです。

もしかしたらパフォーマーのような体型になっているかもしれないですね。


石井:もう近いんじゃないですか⁉(笑)

前田:やっぱりLDHに所属しているからには、メンバーの皆さんと並んでも遜色がないような体型になりたいんですよ! どうしても今は疎外感があって……(笑)。

石井:俳優だから気にしなくてもいいのに!(笑)

前田:いやいや、LDHにふさわしい体型を目指します!(笑)

楽しみにしていますね。それにしてもかなりストイックな現場ですが、リラックスする瞬間はどんなときですか?


石井:キャストの皆さんと一緒にいるときです。皆さん個性がかなり強い方が多いですし、この現場は1日1笑いがないとキツイんです。なので、みんながかなりボケたりふざけたりしていて(笑)。その姿に癒されています。

石井さんから見て前田さんは現場でどんなキャラクターですか?


石井:マスコットキャラです! みんなの話をちゃんと聞いているし、ボケにもちゃんとツッコんでいて。


前田:石井さんもかなりツッコんでいますよね。

石井:確かに(笑)。みんなのボケをさばいているんです。……あ、さばくからみんながボケるのか!

前田:皆さん、石井さんがツッコむとすごくうれしそうな顔をしていますもん(笑)。

石井:確かに私はボケるキャラではないですからね(笑)。皆さん、ボソボソボケる人もいれば関西ノリもあったり、特殊なボケをする人もいて……。

前田:なかでも犬飼貴丈さんは、かなり特殊なボケをするんです!

石井:斜め上のボケなんです。なので、みんなが3秒くらい考えます(笑)。

さて、今後はどんな展開が待っているのでしょうか?


前田:一筋縄ではいかないなという展開になっています。かなりハラハラしますよね。

石井:しますね。4話、5話は山岳が舞台になっているのですが、かなり気合いが入っています。プレッシャーもありますが、そこでリアリティを出すために頑張らなくちゃいけないですし、よりチームワークも必要だなと思っています。

前田:山岳って、本当に誰も助けてくれない状況になってしまうので、僕たちもまたギリギリになりながらの撮影になると思います。その過酷な状況もしっかりと映ると思うので、楽しみにしてもらえたらうれしいです。

では、最後にドラマを楽しみにしてくださっている皆さんにメッセージをお願いします!


前田:激しい筋トレをして、やっと真のLDHの人になれてきたのかなと思っていて……。

石井:そこなんだ(笑)。

前田:はい(笑)。LDHのプライドを背負って、ドラマの現場で頑張っていきたいと思います。あとは、僕たちも実際の救難員の方々に刺激を受けて撮影を頑張ろうと思いましたし、観ている皆さんにこれを伝えたいなと思っているので、観てくれた方の背中を押せるような作品にしたいなと思っています。

石井:LDHは、ダンスやエンタテインメントを通して元気を届けるというテーマを掲げているのですが、俳優としても、同じ志で生きています。なので、今作で夢や元気を与えることができたらいいなと思っています。さらに、今作は心を救うこともテーマになっています。自分たちも今、葛藤をしながら心を救えとは何か、自分を救うべきなのか、人を救うべきなのかを模索しながら訓練をしている最中なので、“救う”ということの意味を探すきっかけになってくれたらうれしいです。

DRAMA information
木曜ドラマ『PJ 〜航空救難団〜』
テレビ朝日系にて、毎週木曜21:00〜21:54放送
出演/内野聖陽、神尾楓珠、石井杏奈、前田拳太郎、渡辺碧斗、草間リチャード敬太(Aぇ! group)、犬飼貴丈、前田旺志郎、吉川愛、眞島秀和、濱田岳、鈴木京香
脚本/髙橋泉
監督/平川雄一朗 ほか
ゼネラルプロデューサー/服部宣之(テレビ朝日)
プロデューサー/中込卓也(テレビ朝日)、後藤達哉(テレビ朝日)、森川真行(ファインエンターテイメント)、清家優輝(ファインエンターテイメント)
制作協力/ファインエンターテイメント
制作著作/テレビ朝日
©︎テレビ朝日
https://www.tv-asahi.co.jp/pj/


photography_野呂知功(TRIVAL)
text_吉田可奈