吉野北人がHOKUTO名義でソロデビューを果たした。ソロはアーティスト活動を始めたときから目標のひとつであり、「ファンを裏切り、楽しませたかった」と語るHOKUTO。その言葉どおりデビュー曲「オパッキャマラド!」はタイトル含め曲調もアプローチもすべて予想外。新たなイメージ&楽曲づくりのため1年間の準備期間を費やした。レコーディングも苦戦したというが、その表情は明るくよく笑う姿も新鮮だ。そんな彼がHOKUTOとして表現したかったこと、意識したこと、そして目指すところはどこなのか。その答えとともに、普段はクールな彼の熱い語り口とちょっと高めのテンション感を感じてほしい。
昨年の1月ごろから20曲ぐらいのデモ曲を歌い、そのなかから自分に合うか合わないかを探りながら調整していたので準備期間はめちゃめちゃ長かったです。
「イェ〜イ」ってどんな日本語?(笑)。でも、まぁ「イェ〜イ」って感じでしたね。元々アーティストをやるときからソロっていうのはいつかやりたい目標のひとつだったのですが、その前にグループとして、そして自分自身ももっともっと大きくなっていかないといけない。そこをやらなければソロはかなわないことだと思っていたんです。でも、去年(THE RAMPAGE)のドーム公演をやらせていただいて、個人としてもこれまで積み上げてきたものがどんどん広がってきまして。そういう段階を経てようやくソロができる時期がきたというか。タイミング的に自分の中でもしっくりきましたし、ソロとして自信を持って世の中に自分を表現できる喜びがとても強くて、やっとここまで来たんだなという想いがありました。
ありきたりなことをやってもただのソロで終わってしまう。やるからには自分にしかできない唯一無二のことをしたいと思っていました。なので、「え? こんなことやるの?」とか「あ、こっちなんだ?」とかいろんな意味で裏切って、ファンの皆さんを楽しませたいなっていう純粋な気持ちがいちばん強かったです。
フランス語なんですけど意味は諸説あって。この曲に関しては「一歩一歩進もう」という意味で使っているのですが、初見だと発音できないし、「何だこれ?」ってなりますよね(笑)。でもインパクトがあっておもしろいし、何より曲がキャッチーでいいなと。ファンの皆さんが思う僕のイメージはしっとりしたバラードっぽい感じだと思うんですけど、そこをあえて外してみました。
はい。ビジュアルもすべてこれまでやってきたことのないものにしたかったし、僕自身いい意味で「LDHっぽくないね」ってずっと言われてきたので、ソロではあえてそこを強みにした曲を作りたいなと。じゃあ、それは何かってイメージしたときにポップさとか明るさという要素なのかなと思い、提案させてもらいました。ただ最初にこの曲を聴いたときは結構クセがあるし、「ここまでポップで大丈夫?」って正直不安があって。そこから自分の声を入れていろいろ想像していくなかで、ちょっとずつ馴染んでいったって感じです。
楽曲提供してくださったのは音楽家のmeiyoさんという方なのですが、中毒性のあるかなり独特な世界観でやられている方なんです。でも、それを自分の表現でしっかり落とし込めばいい形になると思って、歌詞も2番は僕から提案しました。タイトルも大まかなストーリーもmeiyoさんが決めてくださったのですが、やはりHOKUTOとしての最初の曲ですから、自分の想いを入れたいってところで歌詞を書かせてもらったんですよ。
そうですね。いざ書こうとするとダメで何も考えずに散歩しているときに浮かんだり、あとは映画を観ていて、いい言葉が出てくるとそれをメモしたり、日常で感じることがすごく多い。ナチュラルに生きているなかで言葉が出てくるっていうタイプです。
メチャクチャそうです。頭で考えて向き合って作り込んでいくよりは、パッと浮かんだものを落とし込むほうがラクなんですよね。
落ちサビの〈ココロのまま 感じて進めば オパッキャマラド! 君も大丈夫さちゃんとね〉というところ。実は最初〈ちゃんとね〉は〈きっとね〉だったんです。でも、〈きっとね〉って僕のなかでは曖昧な言葉で。「いつか」とかもそうだけど確信が持てないときの言い方じゃないですか。しかもここは落ちサビなのでしっかり締めたいってことで〈ちゃんとね〉に変えて確実に大丈夫だよって思わせるフレーズにしました。そこはこだわりで自分的にも変えて良かったと思っています。
そうかも。九州男児ですからね(笑)。
いや〜、歌うのはメチャクチャ難しくてTHE RAMPAGEより苦戦しました。THE RAMPAGEのときはじっくり歌い込むというか。歌い上げる感じが多いのですが、こっちはまったく真逆のニュアンス。特にAメロのところは力を入れず無機質な感じを意識しまして、それがすごく難しかったです。Aメロ以外も全体的にラップ調というか、話しているような感覚で力を抜いて歌っているんですけど、なかなか納得がいかなくて。いつもなら3時間ぐらいで終わるレコーディングが6時間くらいかかったんですよ。
そうならないよう、いちばん大事にしたのは自分っぽさ。自分の声質をちゃんと把握して、こうしたほうが自分っぽいなとか、自分だったらこういう感情のときはアクセントを入れるなとか、いつもと違う楽曲だからこそ、“自分らしさ”を見失わず表現するようにしたんですよ。なので苦戦はしましたけど、それこそ唯一無二のものになったかなと思います。
僕がリクエストしました。でも、実は監督からは違うものを2パターン提案していただいていまして。ひとつは僕がオフィスで忙しなく働くパターン、もうひとつは宇宙服を着るという案だったのですが、自分でもいろいろ考えたときにAIもいいなと。今っぽいし、無機質なAIが女性と過ごし、ふたりで一歩一歩進むたび感情が生まれて成長していくっていうストーリーは曲にも合っていると思って提案しました。あとカット割りとか入れたいシーンとか自分なりのアイデアもいくつか出して、細かいところまでこだわっているんですよ。
遊び心のあるちょっとふざけた感じもいいなと思ってああいうシーンを入れたんですけど、実際の撮影ではボウリングは外しています(笑)。バスケは本当に入れました。
THE RAMPAGEだと(シリアスな顔で)いつもこうですからね(笑)。でも、自分のなかでソロ第1弾はカッコつけないっていうテーマがありまして。カッコいい自分はすでにいろんな人に見ていただいているので、そこじゃない自分を見てもらうにはどうしたらいいか。そう考えたとき自分で言うのもあれですけど、かわいさだったり無機質な感じだったり、これまでやったことがなかった表情を取り入れたいなと。だからAIになるMVもバッチリだったと思います。
光ってるものかな。星でもいいしダイヤモンドでもいい。キラキラしているイメージだと思います。
とにかく早くライヴがやりたいです。もっと言うとおこがましいですが、ドームとかでソロの世界観を表現したい。それをすごく感じたのはNissyさんのライヴを観に行ったときで、Nissyさんは自分がやりたいエンタテインメントを全部具現化していて、「こんなことができるんだ」とすごく勉強になったんです。もちろんNissyさんがこれまで積み上げてきたものがあるからこそだと思いますが、僕もそこまでいきたいなと。頭の中で描いているものをすべて落とし込み、自分の発想やアイデアがもっとも活きるのはやっぱりライヴだと思いますし、それを楽しんでやっていきたい。ソロ活動では楽しむことが最大のテーマです。
Digital Single
「オパッキャマラド!」
配信中
▼STREAMING & DOWNLOAD
https://lnk.to/HOKUTO_1st
▼「オパッキャマラド!」Music Video
https://m.youtube.com/watch?v=JPsK0R5lF1M
photography_Tany
text_若松正子

ソロデビューの準備は1年くらい前からスタートしたそうですね。
昨年の1月ごろから20曲ぐらいのデモ曲を歌い、そのなかから自分に合うか合わないかを探りながら調整していたので準備期間はめちゃめちゃ長かったです。
その期間はとても楽しくて「イェ〜イ」って感じだった、というインタビュー記事を読んだのですが。
「イェ〜イ」ってどんな日本語?(笑)。でも、まぁ「イェ〜イ」って感じでしたね。元々アーティストをやるときからソロっていうのはいつかやりたい目標のひとつだったのですが、その前にグループとして、そして自分自身ももっともっと大きくなっていかないといけない。そこをやらなければソロはかなわないことだと思っていたんです。でも、去年(THE RAMPAGE)のドーム公演をやらせていただいて、個人としてもこれまで積み上げてきたものがどんどん広がってきまして。そういう段階を経てようやくソロができる時期がきたというか。タイミング的に自分の中でもしっくりきましたし、ソロとして自信を持って世の中に自分を表現できる喜びがとても強くて、やっとここまで来たんだなという想いがありました。
ソロのイメージはどのように考えていました?
ありきたりなことをやってもただのソロで終わってしまう。やるからには自分にしかできない唯一無二のことをしたいと思っていました。なので、「え? こんなことやるの?」とか「あ、こっちなんだ?」とかいろんな意味で裏切って、ファンの皆さんを楽しませたいなっていう純粋な気持ちがいちばん強かったです。

おっしゃるとおりデビュー曲はテイストも映像も“THE RAMPAGEの吉野北人”を感じさせない。しかも、タイトルが「オパッキャマラド!」って誰も予想できません。
フランス語なんですけど意味は諸説あって。この曲に関しては「一歩一歩進もう」という意味で使っているのですが、初見だと発音できないし、「何だこれ?」ってなりますよね(笑)。でもインパクトがあっておもしろいし、何より曲がキャッチーでいいなと。ファンの皆さんが思う僕のイメージはしっとりしたバラードっぽい感じだと思うんですけど、そこをあえて外してみました。
すごくポップでカラフルな印象ですよね。こういう路線にしたのはHOKUTOさんの提案ですか?
はい。ビジュアルもすべてこれまでやってきたことのないものにしたかったし、僕自身いい意味で「LDHっぽくないね」ってずっと言われてきたので、ソロではあえてそこを強みにした曲を作りたいなと。じゃあ、それは何かってイメージしたときにポップさとか明るさという要素なのかなと思い、提案させてもらいました。ただ最初にこの曲を聴いたときは結構クセがあるし、「ここまでポップで大丈夫?」って正直不安があって。そこから自分の声を入れていろいろ想像していくなかで、ちょっとずつ馴染んでいったって感じです。
「オパッキャマラド!」はHOKUTOさんのイメージを超えてくる楽曲だったんですね。
楽曲提供してくださったのは音楽家のmeiyoさんという方なのですが、中毒性のあるかなり独特な世界観でやられている方なんです。でも、それを自分の表現でしっかり落とし込めばいい形になると思って、歌詞も2番は僕から提案しました。タイトルも大まかなストーリーもmeiyoさんが決めてくださったのですが、やはりHOKUTOとしての最初の曲ですから、自分の想いを入れたいってところで歌詞を書かせてもらったんですよ。

HOKUTOさんは日常のふとした瞬間や旅先でアイデアが浮かぶことが多いそうですが、作詞も同じですか?
そうですね。いざ書こうとするとダメで何も考えずに散歩しているときに浮かんだり、あとは映画を観ていて、いい言葉が出てくるとそれをメモしたり、日常で感じることがすごく多い。ナチュラルに生きているなかで言葉が出てくるっていうタイプです。
思考型ではなく感覚派ですね。
メチャクチャそうです。頭で考えて向き合って作り込んでいくよりは、パッと浮かんだものを落とし込むほうがラクなんですよね。
特にお気に入りの歌詞は?
落ちサビの〈ココロのまま 感じて進めば オパッキャマラド! 君も大丈夫さちゃんとね〉というところ。実は最初〈ちゃんとね〉は〈きっとね〉だったんです。でも、〈きっとね〉って僕のなかでは曖昧な言葉で。「いつか」とかもそうだけど確信が持てないときの言い方じゃないですか。しかもここは落ちサビなのでしっかり締めたいってことで〈ちゃんとね〉に変えて確実に大丈夫だよって思わせるフレーズにしました。そこはこだわりで自分的にも変えて良かったと思っています。
なるほど。意外と男らしいHOKUTOさんの性格が出ましたね。
そうかも。九州男児ですからね(笑)。
歌う際にこだわったことや意識したことは?
いや〜、歌うのはメチャクチャ難しくてTHE RAMPAGEより苦戦しました。THE RAMPAGEのときはじっくり歌い込むというか。歌い上げる感じが多いのですが、こっちはまったく真逆のニュアンス。特にAメロのところは力を入れず無機質な感じを意識しまして、それがすごく難しかったです。Aメロ以外も全体的にラップ調というか、話しているような感覚で力を抜いて歌っているんですけど、なかなか納得がいかなくて。いつもなら3時間ぐらいで終わるレコーディングが6時間くらいかかったんですよ。

倍の時間! 歌いすぎると途中でわけがわからなくなりませんか?
そうならないよう、いちばん大事にしたのは自分っぽさ。自分の声質をちゃんと把握して、こうしたほうが自分っぽいなとか、自分だったらこういう感情のときはアクセントを入れるなとか、いつもと違う楽曲だからこそ、“自分らしさ”を見失わず表現するようにしたんですよ。なので苦戦はしましたけど、それこそ唯一無二のものになったかなと思います。
確かに初めて聴く歌声なのに“しっかり吉野北人っぽい”っていう不思議な感覚があって新鮮でした。またHOKUTOさんがAIになるというMusic Video(以下MV)の設定も曲の世界観や歌声にぴったりでしたが、アイデアはご自身で?
僕がリクエストしました。でも、実は監督からは違うものを2パターン提案していただいていまして。ひとつは僕がオフィスで忙しなく働くパターン、もうひとつは宇宙服を着るという案だったのですが、自分でもいろいろ考えたときにAIもいいなと。今っぽいし、無機質なAIが女性と過ごし、ふたりで一歩一歩進むたび感情が生まれて成長していくっていうストーリーは曲にも合っていると思って提案しました。あとカット割りとか入れたいシーンとか自分なりのアイデアもいくつか出して、細かいところまでこだわっているんですよ。
無表情のままボウリングでストライクを出すシーンと後ろ向きでバスケのゴールを決めるシーンは驚きました。
遊び心のあるちょっとふざけた感じもいいなと思ってああいうシーンを入れたんですけど、実際の撮影ではボウリングは外しています(笑)。バスケは本当に入れました。

観る側も大満足です。MVであんなに笑っているHOKUTOさんもかなりレアですし。
THE RAMPAGEだと(シリアスな顔で)いつもこうですからね(笑)。でも、自分のなかでソロ第1弾はカッコつけないっていうテーマがありまして。カッコいい自分はすでにいろんな人に見ていただいているので、そこじゃない自分を見てもらうにはどうしたらいいか。そう考えたとき自分で言うのもあれですけど、かわいさだったり無機質な感じだったり、これまでやったことがなかった表情を取り入れたいなと。だからAIになるMVもバッチリだったと思います。
ちなみに別のインタビューで「THE RAMPAGEのなかで自分はあえて花になる」と話していたのが、ご自身の立ち位置を的確に捉えていてとても印象的でした。吉野北人が花ならソロのHOKUTOはどんなイメージでしょうか?
光ってるものかな。星でもいいしダイヤモンドでもいい。キラキラしているイメージだと思います。
ぴったりですね。そんなHOKUTOとしての目標は?
とにかく早くライヴがやりたいです。もっと言うとおこがましいですが、ドームとかでソロの世界観を表現したい。それをすごく感じたのはNissyさんのライヴを観に行ったときで、Nissyさんは自分がやりたいエンタテインメントを全部具現化していて、「こんなことができるんだ」とすごく勉強になったんです。もちろんNissyさんがこれまで積み上げてきたものがあるからこそだと思いますが、僕もそこまでいきたいなと。頭の中で描いているものをすべて落とし込み、自分の発想やアイデアがもっとも活きるのはやっぱりライヴだと思いますし、それを楽しんでやっていきたい。ソロ活動では楽しむことが最大のテーマです。

「オパッキャマラド!」
配信中
▼STREAMING & DOWNLOAD
https://lnk.to/HOKUTO_1st
▼「オパッキャマラド!」Music Video
https://m.youtube.com/watch?v=JPsK0R5lF1M
photography_Tany
text_若松正子
この記事の続きはTHE RAMPAGE FCに
入会中の方のみご覧いただけます。
入会中の方のみご覧いただけます。