2023.9.1

MORIYASU HAJIME × EXILE AKIRA
HEROES

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EXILE、そしてEXILE TRIBEのリーダーであるEXILE AKIRAと、サッカー日本代表監督の森保一さん。世界を股にかけて活動する両者の対談が実現!! 音楽とスポーツという異なるフィールドでそれぞれリーダーを務めるふたりが、リーダーとしての在り方や今までの生い立ちなどさまざまなことを語り合った。


EXILE AKIRA(以下AKIRA):僕から熱烈にオファーさせていただき、今回の対談が実現しました。CLの視聴者の中心は10〜20代ということもあり、僕ら世代から人生の糧となるようなメッセージをお届けできたらなと思い、森保一監督にご出演いただきました。まずこんな質問で恐縮ですが、僕のことは知っていましたか?

森保一監督(以下森保):もちろん存じております。今までは画面を通して拝見していただけですが、とてもかっこよくて爽やかで素敵な方だなという印象でした。


AKIRA:ありがとうございます! すごくうれしいです。褒められると僕たちEXILEはレモンサワーを飲み干す習慣があると言われていますが、今手元にあったら何杯でも飲めそうなくらいうれしいお言葉です(笑)。僕もサッカーをやっていたので、森保監督が現役時代にサンフレッチェ広島で活躍されていたときはもちろん、日本代表での勇姿も焼き付いています。当時はJリーグチップスのカードを集めていて、森保監督のカードも持っていました。カードの裏側には出身地や生年月日なども記載されていて、監督が僕と誕生日がまったく一緒だったことがすごくうれしくて、今だに覚えています。

森保:先に言われちゃいました(笑)。僕もAKIRAさんのことを少し調べてきたのですが、そのときに「誕生日同じやん!」って(笑)。

AKIRA:そうなんですよ。なかなか誕生日が一緒の方って出会わないのですが、血液型も一緒ということで本当に光栄です。今も静岡には行かれたりしますか?

森保:年に一度行っています。先祖のお墓があるのでお墓参りだったり、親戚ともお付き合いをさせてもらっているので。

AKIRA:ありがとうございます。ではここから本題に入らせていただきますね。まず、ご自身がリーダーとして掲げている理念や心掛けていることを教えてください。


森保:「リーダーとして」というわけではないのかなと思っていますが、監督として選手を指導させてもらうなかでいちばん大切にしていることは、相手を尊重するということと個々を尊重し、できるだけ寄り添ってチーム作りをしていくということ。サッカーはチームスポーツですから、組織で戦うという部分はチーム作りに必要なことですが、チームというもの自体は個々から成り立っているので、そこを忘れないようにしています。

AKIRA:メンバーにはオリンピック世代からいわゆるZ世代、さらにはその下のα世代とつながっていますが、世代ごとに接し方の違いはありますか?


森保:あります。特に感覚の違いはすごく感じるところがあります。チームとしてやるべきことのベースはベテランも若手も関係ないですが、やはり経験値や時代による価値観が違うわけです。その違いをどう活かして、チームとしてまとめるかっていう。自分の経験を押し付けることなく、フラットな目線で接するようにしています。特にZ世代やα世代は年齢的にかなり差がありますが、彼らから学べることは多いと思っているので、そこは学ぶ意識を持って接しています。

AKIRA:森保監督は指導者としての地位を確立されていますが、もともとは現役の選手だったわけじゃないですか。現役当時、引退を意識したきっかけ、そして引退後、指導者になるまではさまざまな葛藤があったと思いますが、どんなお気持ちだったのですか?

森保:現役を引退するにあたって、自分がサッカー選手ではなくなったとき、セカンドキャリアをどう過ごすか少なからず考えつつ引退をしたのですが、そのなかに指導者の道に進みたいという思いは漠然とありました。現役を辞めるときって身体が動かなくなるとか、自分自身の実力がなくなったということがいちばんの要因だと思います。ただ、引退を決めてもセカンドキャリアにすぐ目がいくかといえば、なかなかそうもいかない。自分の気持ちをしっかり切り替えないといけないと考えていました。選択肢としてはいくつか考えられるなかで、はっきり自分の道をトライすることを決めるということで整理はしました。そのなかのひとつが指導者で、できれば育成普及の年代から勉強して、最終的にはトップに行きたいと思いつつ道を進んでいったという感じです。できればカズ(三浦知良)さんみたいにずっとプレーし続けていたかったですし、今でもその思いはありますが(笑)。

AKIRA:現役への情熱は今だにあるんですね。個人的に森保監督には、現役時代から引退後のライフプランをしっかりともたれているんだろうなという印象を勝手に抱いていたので、なんか意外でした。


森保:消え去るものではないんでしょうね。ただAKIRAさんがおっしゃるとおり、現役時代から常に先のことを考えるタイプではありました。例えば僕は若いころからサッカーノートを書いていて、当時からどういうトレーニングをしたか、1日の成果と課題みたいなのはずっと書きつつ、未来のこともなんとなく考えていました。

AKIRA:ちなみにサッカーノートは常に肌身離さず持っているものですか?

森保:はい、普段のメモ書きはいつも持っています。今日もカバンのなかにあります。

AKIRA:あとでこっそり見せてもらいたいです(笑)。どんなことを書かれているのかすごく気になります。

森保:たいしたことは書いてないですよ(笑)。まず試合中であれば、前半に起こったことを明確にするためにハーフタイムに選手たちに何を伝えるか、そして自分が思っていた修正点とコーチが思っていたことが一致すれば、選手に伝えるようにしています。あとはそのときの心情などを書いています。ただ普段書いていることは日記みたいなものです。

AKIRA:そうなんですね。ちなみに今は指導者として活動されていますが、影響を受けた指揮官やリーダーはいますか?

森保:います。ただ自分はたくさんの方々に指導していただき、それぞれの良さがあって今の自分に活かせるものがあります。印象に残っている指導者を挙げるなら、社会人マツダSC時代にお世話になったハンス・オフト監督。日本代表初の外国人監督でしたが、練習も規律もすごく厳しい反面、すごく楽しいんです。監督がいつも笑っているんですよ。オフト監督からはサッカーを楽しむという雰囲気が伝わってきていて、それは私も指導者としてすごく大切にしています。


AKIRA:オフト監督はジュビロ磐田でも監督をやられていましたよね。その時代、僕もよく観に行きました。ヤマハスタジアムへ。オフト監督を含め、偉大な指導者たちから得た、世界で戦うマインドはどんなものですか?

森保:僕も選手も世界で戦ううえで共通して持っていることは、目線は同じであるということ。自分たちもできると思うことで相手を見上げないで試合に臨みますし、選手を送り出すときにも目線は同じ、みんなはできるからと言って送り出しています。

AKIRA:そうなんですね。僕たちもEXILEというグループから後輩もできて、その下にEXPG STUDIOというダンススクールやEXPG高等学院もあって、自分たちが抱いていた夢が下の世代の夢になって、さらにその子たちがまたデビューして夢をかなえてっていう“夢のサークル”みたいになっていますが、世界で戦いたいという子たちが増えてきているんです。僕たちはエンタテインメント業界で世界へ挑んでいるので、森保監督の先ほどの言葉がすごく響きました。


森保:いえいえ、皆さんもちゃんと具現化されているのですごいと思います。やはり世界の情報がタイムリーに入ってくると、日本にいるけど世界のなかで生活しているという感覚を若い人は持っているんじゃないかなと思います。自分たちの可能性を信じてやっていけば必ず世界に通用すると思ってほしいですね。AKIRAさんたちが活動しているエンタテインメントの世界もすごくパワフルで、実際我々はすごく勇気をもらっています。コロナ禍のときはライヴが無くなってしまいましたが、あの期間も、音楽やダンスなどエンタテインメントの人たちとファンの皆さんはずっとつながっていると感じましたし、私自身もすごく元気をもらいました。そういった意味では日常生活のなかに不可欠なものもあるものなんだなと思います。

AKIRA:僕たちもあのときは“ピンチをチャンスに”という思いで必死にやってきたので、そうおっしゃっていただけると本当にうれしいですし、励みになります。では、ずばりお聞きします。森保監督が思う、夢をかなえるための秘訣は何だと思いますか?

森保:継続することだと思います。夢に向かって常に前進する気持ちを持って継続しなければ、簡単にかなえられないと思いますし、諦めずに常に夢に向かって続けることですね。

AKIRA:ありがとうございます。最後に、森保監督から日本のサッカーならびに、LDHのファンの皆さんにメッセージをお願いします。

森保:いつもサッカーの応援、そしてエンタテインメントに接していただきありがとうございます。私自身はサッカーですが、サッカー以外にもさまざまなスポーツがあり、さらにLDHさんが創り出しているエンタテインメントなど、日本にはいろんな娯楽があると思います。私はサッカーを通じて、皆さんの生活に潤いを届けられるよう、これからも頑張っていきたいと思っています。縁あって今日は、AKIRAさんと過ごさせていただきましたが、これを機に一緒に日本を盛り上げていけると思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

AKIRA:今回は森保一監督をお招きして番組をお届けしました。これを機にサッカーを筆頭に、ほかのスポーツも含め、これからもLDHからたくさんのエンタテインメントをお届けすることで日本を元気にしたいと思っていますので、応援のほどよろしくお願いします!



森保 一 MORIYASU HAJIME

1968年8月23日生まれ、長崎県長崎市出身。小学校でサッカーを始め、長崎日本大学高校を経て、1987年に日本サッカーリーグ(JSL)のマツダ(現・サンフレッチェ広島)に加入。92年に日本代表に初選出されると、ボランチとして一躍脚光を浴びた。翌93年にJリーグが開幕し、同年のFIFAワールドカップアメリカのアジア予選に出場した。その後、京都パープルサンガやベガルタ仙台でプレーし、2003年に現役を引退。指導者としては広島の監督に就任した12年を含め、17年までの6年間でチームを3度のJリーグチャンピオンに導く。17年10月からU-20(現U-24)日本代表監督、18年7月よりSAMURAI BLUE監督を務める。

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詳しくは下記URLよりご確認ください。
https://www.cl-live.com/lp?lang=ja


Photographer_Tany
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text_オオサワ系